脳梗塞後の高次脳機能障害【半側空間無視】
脳梗塞後遺症に出やすい高次脳機能障害の半側空間無視
半側空間無視って聞いたことありますか?
脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に高い確率で起きる後遺症のことです。
- ずっと左を向かない
- 左側の手足を忘れてしまう
- 物や人によくぶつかる
- ご飯の左側だけ食べ残す
このような症状がよく見られます。
徐々に軽減はしてくるものですが、あるうちが転倒の危険が多く日常生活に大きな影響を与えます。
今日はこの「半側空間無視のリハビリ」に関してお話していきます
半側空間無視て一体なんだ?
見えているけど、認識できない
脳機能の仕組みを考える上でも興味深いのが、「半側空間無視」という症状です。
これは脳梗塞などで脳の片側半球がダメージを受けるとそれに対応した側からの情報・感覚を認識できなくなってしまうという症状です。主に右脳損傷による左側空間無視がよく見られます。
もちろん、左脳を損傷して右側に問題が出ることも有るのですが、左脳を損傷すると高い確率で失語症などが出てくるので、そちらに注意が行きがちにもなります。
またこの症状の特徴としては、多くの場合において「本人は症状に自覚が無い」点が挙げられます。すなわち、本人は回りに言われるまで「片側の感覚が認識できていないことに気が付かない」のです。そのため、人にぶつかる・物にぶつかるなど転倒に注意が必要になります。
見るということ
例えば視覚を例にとって見ると、両目それぞれで見た画像は、まず網膜で捉えられて視神経信号として脳に送られます。そこで左目の信号は右脳で、右目の信号は左脳で処理されて「視覚情報」となり、それを更に統合して立体的な「両目の視野」になります。
半側空間無視が起きている場合、この過程の内の「信号から情報への処理」を行う部分が機能しておらず、眼が捉えた信号そのものは脳に行っている(見えている)のに、それを情報として処理できないために「無い」という扱いになります。
自覚症状がない!
ここで注目すべきは、問題になっている側の視覚情報は完全に「無い」のであり、暗闇などですら無いということです。そのため本人は見えていない(認識できていない)ということにすら気づきません。
半側空間無視の原因
目で見た画像は、眼球の奥にある網膜というところで視神経信号となり、視覚情報として脳に送られます。
右の目からの視覚情報は左脳で、左の目からの視覚情報は右脳で処理され認識されます。
脳梗塞によって、大脳に障害を受けると、目は見えているのに、脳で視覚情報を処理することが出来ないため、半分の空間を認識できなくなります。
右脳の障害による、左半側空間無視が多い理由は、右脳が「左右両方」の視覚情報を認識する機能を持っているからです。
左脳は右側の視覚情報の認識にしか関わっていないため、左脳に障害が起こっても、右脳の働きでカバーすることが出来ます。
右脳に脳梗塞を起こすと、多くの場合、左脳は機能していますので、右側は認識できますが、左側を認識することが出来なくなるのです。
半側空間無視に対するリハビリ
左の空間を使って操作訓練
左への反応性が低下しているから、左への手がかりを増加させると言う考えのリハビリ
例えば、左半側空間無視の患者様は常に右を向いていることが多いです。だからといって、左から呼びかけたり、感覚刺激を与えたりしても、いまいち効果はないことが多い印象があります。
先行研究では、左半側空間無視に対する左空間からのアプローチについて..賛否両論あるみたいです。
Riddochらは、効果がある
Heilmanらは、効果がない
と言っています。
あくまでも文献なので、やってみる価値はあると思います。
また、別の方法として
右への反応性の増大しているから、右からの刺激を減少させる考えもあります
例えば、右空間に壁を置くことで、右からの刺激を減少させるなど。また、車いすを右の上下肢でこいでいる方がいるとして、まっすぐにこげず左にばかりぶつかっていました。しかし、この方に足だけでこいでもらうと、真っすぐこげるようになった例があります。これは非麻痺側の上下肢を使用することで、右空間の情報が過剰になりすぎて、左空間の不注意の範囲が広がっていたと考えることができます。
頭部や体幹の回旋を利用する
左半側空間無視では頸部が右に回旋していることが多いです。この状態から、首だけだなく体幹から一緒に左方向へ回旋させて、左側があるよ!!って脳に認識させます。
その結果無視の範囲が減少することがあるのです。
追伸
のぞみ整体院は、柏市周辺で脳卒中(脳梗塞・脳出血)でリハビリテーション病院でのリハビリを終えてた方を対象にした、「継続したリハビリテーションのお手伝いをする」場所を提供しています。
私がリハビリテーション病院で勤務時代、
「もっと良くなりたい。なる気がするのに帰ったらもうダメね・・」
「帰った後にしっかりリハビリできるとこないの?」
退院間近の患者様がよくこんなことを口にしていました。
退院後のリハビリを提供できる場所はあります。
訪問リハビリテーション・外来リハビリテーション・デイケア・デイサービス
などなど・・
でもあくまでも「維持期のリハビリテーション」という考えです。
脳梗塞・脳出血後の発症から時間が経った身体の機能をさらに引き出すことは困難です・・
さらに、現在は医療保険での維持期のリハビリが縮小されつつあるため「外来リハビリテーション」を頼りにしていた方々も、「来月で卒業です」なんて言われて目標達成できていない段階で終了してしてしまう方も多いのではないでしょうか??
本当に脳梗塞・脳出血後の方が「もっと身体をよくしたい!!」という声に応えれる場所が極端に少ないのが今の現状です。
これをどうにかしたい。1人でも多くのクライアント様のお役に立ちたい。そんな思いで「のぞみ整体院」を営業しています。
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